第二言語習得研究者のクラッシェンは、子どもは言葉を「獲得」し、成人は言葉を「学習する」としています*1。抽象的な概念を理解し、論理的思考ができる中学生以上では英語を文法や語彙練習から学習することが可能です。しかし、それ以前の子どもは、具体的なものや実際の体験がないと、効果的に英語を習得できません。心理学者のピアジェが提唱した認知発達段階*2は、児童への英語指導法に多くの示唆を与えてくれます。それぞれの段階でどのような指導が適切なのかを簡単に整理しておきましょう。
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■4歳〜7・8歳(前操作思考期)は、体験的で具体物を使った活動を
この時期の子どもは、抽象的な思考能力が不十分で、自己中心的にものごとを考える傾向があります。したがって、聞いた言葉を体で表現する、まねをして言うなどの体験的な学習、また、目で見てわかる実物教材を使用することが効果的です。一度に複数のことを教えずに、子どもが英語で言えることを徐々に増やします。言語習得のプロセスに沿って、読み・書きの活動よりも、まずは十分に音声に親しむ活動を中心に行うことが望ましいでしょう。
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また、この時期の子どもたちは他者の視点からものを考える力が十分に発達していないため、仲間どうしでグループをつくる活動よりも「教師対生徒」の指導形態が適しています。指示が的確に伝わらないこともありますので、一人ひとりの子どもへの目配りが必要です。
■7・8歳〜11・12歳(具体的操作期)では、行う意味を感じられる活動を
この時期の子どもは論理的思考が発達し、自分たちが行う行動に意味づけを求めるようになります。また、社会性も発達するため、共同作業ができるようになります。したがって、体験的な学習にさらに幅をもたせ、情報のやり取りが起こる活動、場面設定をして、行う意味を感じられる活動が必要です。また、十分に音声にふれさせた段階であれば、徐々に文字にふれさせていくとよいでしょう。
認定者
高学年では自我意識に目覚めてくるので、彼らの興味・関心を主体とした活動内容であるべきです。また、本当のコミュニケーションをしたいという欲求も出てくるので、英語で外国の人と話す機会をつくることはたいへん有意義です。また、ペアワークやグループワークなど、子どもたちが主体性を持って学ぶ活動(学習者中心の活動)を取り入れることも大切です。
■経験年数にも配慮が必要
同じ学年でも、初めて英語にふれる子どもとそうでない子どもでは、活動できる内容も異なります。徐々に発達段階に応じた活動にシフトしていくとよいでしょう。たとえば高学年から英語を学習し始めた子どもの場合、素材として使うのはごく基本的な語彙だとしても、活動内容は高学年に合った、思考能力を要するクイズなどを行うようにします。また、低学年から習っている子どもたちには、以前学習した語彙やフレーズに何度も繰り返し遭遇するような形(スパイラル・アプローチ)で定着を図るようにします。
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